ゲーム*キルア視点

*キルア視点




家出したあと、退屈してたから受けたハンター試験。試験自体はそこまでじゃないけど、面白いヤツならいた。

まずはゴン。たまにバカみたいなことを言うけど、同い年だし、一緒にいると楽しい。釣竿が武器ってちょっと面白いし、なかなか上手い。1次試験でもいちおう、オレのペースについてきてた。鼻が犬みたいにきく。暗殺一家だって言っても引かなかったし、他の奴らとはちょっと違う。

もだ。1コ上らしい。1次じゃオレと一緒で余裕そうだったし、2次じゃスシの作り方を教えてくれた。結局意味なかったけど。そういえば1次でヒソカと少しやりあったらしい。確かにある程度強そうだけど、オレのカンも鈍ったかな? そこまでとは思ってなかった。

だけど、会長のじいさんが仕掛けてきたゲームでの動き。アレを見て印象は変わった。全く見えず、一瞬後にはがボールを持っていた。教えてくれるっていうから、意地でも覚えようと思う。負けたままは悔しいし。

そう、オレはボールが取れなかった。手加減してるじいさんにも腹が立ったけど、に取れて俺には取れないのが悔しかった。ムキになってしばらくやってたんだけど、スイッチ入っちゃいそうになったのであわててその場を離れた。

じいさんはムカツクしにも勝てないし、しかもオレはゴン達とは違って…。そこまで考えたところで、ぶつかったガラの悪い受験生がからんできた。なんか文句を言ってきてるが、反応しないでいるとつけあがってくる。弱い奴らほどよく吠える…イライラしているのも手伝ってヤってしまおうか、と思った時。

「キルア! あっち行こう」

だった。そこから引っ張られて駆けだす。今は顔を合わせていたくなかった。なのに、なんでここに。オレを追いかけてきたのか? まだゴンが残っているのに。…なんだかあったかくて、よく見てみたら手をつながれていた。やけにあわてる。

「…手、離せよ」

なにか落ち着かないので顔を見て言えなかった。そのあとはゴンのところに戻る気はないのか、一緒にいたら寝支度をはじめてしまった。そのままこっちにも毛布(支給品)をよこしておやすみ、と隣で寝入った。あんまり気持ちよさそうなんでどうでもよくなってきた。なんだか変に気が静まって、さっきまでかなりイラついてたのも忘れてそのままオレも寝てしまった。