2次試験

2次試験会場に向かう道中、ヒソカについて考察したとき(また匂いの話だ)、殺されそうになりながらもわくわくしたとゴンは言った。主人公の片鱗を見た気がする。そうして色々なことに挑戦して強くなっていくのだろう。

ビスカ森林公園に無事に到着すると、ヒソカに手を振られた。悪寒が走るからやめてほしい。無視しているとキルアがちょっと嬉しそうにやってきた。ゴンの鼻にびっくりする人が1人増えると同時に1次試験の終了を言い渡された。

響くなんとも奇妙な音を気にしながら待っていると正午になり、建物の扉が音を立てて開いた。中には巨大な太った男とスタイルの良い女性がいた。

「どう?お腹は大分すいてきた?」
「聞いてのとおり、も−ペコペコだよ」

今回は試験官2人で見るらしい。しかも料理。ほとんどの受験生が不満そうだが、文句を言う奴は帰れ、と取り合わない。まずは大男の方、ブハラ、のメニューであるブタの丸焼きを作ることになった。

「丸焼きとか…逆に作ったことがないよ」
「ただ焼けばいいんじゃないの?」
「…それもそうか」

一同、森に入ってブタを探すとすぐに見つかった。矛とも盾とも呼べそうな大きな鼻をぶつけようと突進してくる。すれ違いざまに殴って倒す。焼いて持っていけば、すごい勢いでどれも美味しそうにブハラが食べていた。持って来た全員を合格にした彼にメンチが不満そうだ。

「あたしはブハラと違ってカラ党よ!!審査もキビシクいくわよー! 二次試験後半。あたしのメニューは、スシよ!!」

効果音が付きそうなほど、堂々と言い切ったが受験生の反応はいまいちだ。そんな中、ヒントとして調理器具と『ニギリズシ』しか認めないことを提示し、スタート! と合図するとさっさと定位置であるソファに座りこんでしまった。ゴンとキルアと調理台にある器具を見てみる。

「ねえ、はスシって知ってる?」
「食べたことならあるよ」
「ホント!」
「マジ? じゃあ――」
「魚ァ!?お前、ここは森の中だぜ!?」
「声がでかい!!川とか池とかあるだろうが!!」

レオリオとクラピカの大声に引きつりつつ笑う。その通りだ。一斉に移動し始める受験生の波にのまれて魚を取ってきた。ゴンとキルアにどういう料理かをこっそり教えていると、ハンゾーが盛大にネタばらしをしてくれた。一応3人でキレたメンチに完成したものを持って行ったものの、美味しくないの一言で突き返されてしまった。

「わり!お腹いっぱいになっちゃった」

の一言とともに2次試験は終了してしまったらしい。電話口でも揉めていたが、怒鳴って切ってしまった。こんな終わりは少年漫画としてないでしょ、と思っていると一人の男が騒ぎ出した。そちらはどうでもいいのだが、ヒソカの殺気が気になる。またここで何か起こるのかな、とメンチの演説を聞き流していたら、声が響いてきた。

『合格者ゼロはちとキビシすぎやせんか?』

ぞろぞろと外に出ていくとハンター協会のマークのついた飛行船が1隻。かなりの高さなのに、老人が一人すごい音を立てて飛び降りてきた。ネテロ会長だそうだ。それにしても、念はやはり霊力に似ているんだろう。会長は霊圧が高いように感じる。

乱入した会長の説得により再試験となった。飛行船で山まで運んでもらい、深い谷につく。実演としてクモワシの卵を取ってきたメンチに続き、皆で飛び降りる。卵は本当に美味しかったです。結果、43名が合格した。